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機関紙
け ん せ い
発行・全日本拳正道連盟広報部
全日本拳正道連盟広報部発行の機関紙
「けんせい」67号(平成19年4月8日)に増尾支部道場長・千葉直胤の記事が掲載されました。
先生の白帯
(本文)
私と拳正道の出会いは26年前、半年ほど先に入門していた4歳年下の弟の強い誘いでした。また当時の私は坐骨神経痛を患い、弟の紹介で当時の拳正道・尚和会で整体治療もされていた先代道主先生の施術をうけ快方に向かっておりました。初めて先代道主先生にお会いし、そのお人柄、人を引き付けずにおかない魅力に素晴らしいお方との印象を持っていました。また先に総本部に入門させて頂いていました弟より拳正道の素晴らしさを聞くにしたがい私も・・・と入門を決意しました。父も若い時代に柔道・剣道の稽古に情熱を注ぎ、弟も学生時代は柔道部、私も小学生から柔道・中学では剣道部・高校では柔道部、東京港区出身の私は柏に移転する直前に合気道を・・・と、武道一家ではありました。
私の入門当時は北柏駅前に総本部道場があり、入門させて頂き真新しい胴着が出来上がったころ先代の道主先生が入院され、現在の道主先生が本部道場の指導をされるようになりました。直接の先代道主先生の教えを請うこともなく他界されたのがとても残念に思いました。
しかし、めざし入門した拳正道の素晴らしさに変わりはありません。現道主先生に基本をみっちりと教え込まれ、その土台が今日にと繋がっています。
私は始めると熱中タイプで、白帯時代から、総本部稽古・週二日では物足りず、柏市・増尾に住む私は、付近の支部道場の稽古日をお聞きしては、日曜日を除いて毎日のように稽古をしていました。
柏支部、常盤平支部、南柏支部、六実支部、松戸支部、柏若葉支部、などなど出稽古をお願いし、各支部道場長の先生方から快く向かえてくださいました。是非拳士の皆様も出稽古に行かれてください。それぞれの道場の持つ良い点やカラーがとても新鮮で勉強になります。教えを請う拳士も程よい緊張感と刺激がとても稽古に役立ちます。中でも松戸・六実道場の川井先生は私の拳正道にとても大きく影響を頂き、武道家としての心構え・変化技の妙味、心技体共に現道主先生と共に目指す偉大な目標とさせて頂いています。増尾支部道場長となった今でも本部道場稽古の他に毎週、六実道場・川井先生に教えを頂に出稽古に伺っています。
私は総本部道場に在籍している拳士としては奇異な存在で、当時は日曜日の仕事が忙しく拳正道の大会に出たことがありませんでした。やっと30周年の記念大会に総本部の拳士として団体演武に出場させて頂いたのが唯一の経験です。
自分の拳正道を求める途中で、道場を持つようになりました。それも「流れ」の中でそうせざるを得ない不思議な感覚でした。まだまだ修行中の身、道場を持つなど考えも及びませんでした。人生の中で大きなチャンスや転換期に「流れ」を感じるときがあります。見えざる手・・・とでも言うのでしょうか。自暴自棄ではなくその「流れ」に己を任せてみる。その一瞬の判断、流れを掴むために普段の生き方、普段の常の心構えの必要性を感じています。物事熱心に取り組んでいる時にのみ感じる「なんとなく」の「流れ」・・・この部分に関しては紙面の都合上割愛させて頂きますが、「ただ、なんとなく」の大切さを痛感しています。この「なんとなく」は潜在意識の成せる技で、稽古・修行とは恐るべき潜在意識のパワーの方向付けでもあります。意識を集中させ、その集中していることさえ忘れる自然体「無」の状態を感じる時に聞こえる心の奥底からのメッセージ「なんとなく・・・」、私は乱取り中など意識を集中しているときに、相手がスローモーションのように見えることが過去何回かありました。その時の私の動きは平常で突き・蹴りがうまく決まります。多くの拳士の方々も経験していると思います。これが潜在意識のパワーです。意識では不可能と思われることが起こりえます。「なんとなく」の世界です。拳正道の統一心令法に興味を持ち、催眠誘導を学びました。私は催眠カウンセラーの資格を持っていますが、心理学や潜在意識のパワーを知ることで、武道の奥深さ、私の拳正道の未熟さを痛感しています。
道主先生の許可を頂き増尾支部道場を開設し今年の二月で三年間が過ぎました。素質あふれる門下生に恵まれ、私は「指導」というより私の持つものを伝えながら一緒に稽古をしています。伝え、伝えられた門下生と共に成長していく喜びを道場長となって初めて経験しました。道場を持ち、初めからの道場長はおりません。子供を授かり子育てしながら一人前の親となるように、道場長としても修業中の私です。「普通の指導者は言って聞かせる、良い指導者は説明する、優秀な指導者はやって見せる、最高の指導者は生徒の心に火をつける・・・・」私も火をつける事のできる指導者になるべく日々努力を重ね精進しています。
また拳士の皆様も拳正道の持つ素晴らしさをもう一度心に、是非多くの友人・知人の方々に拳正道を勧めていただきたいと思います。拳正道はそれぞれの人生に大いに役立つこと、お話してください。
最後になりましたが、私の基礎から教え頂き今後とも目標にさせて頂きたく、常に暖かくご指導賜る現道主先生、第二の師である川井先生をはじめ諸先生方、多くの拳友の皆様に支えられ現在の私があります。そして家族の応援も。。。全て感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。「コレでよいと思えば、あとは落ちるばかり・・・」私の拳正道の目標に向けて私の稽古はまだまだ続きます。

   増尾支部・道場長  千葉直胤 (記・平成19年4月)